前回はざっと理学療法士はこんな職業ということをご説明しました。
今回は過去の経験を元に実際のリハビリについてお伝えしようと思います。
最初に勤めたのは一般病院でした。
整形外科、脳外科、内科、病床数は50床程度と小さい病院です。
その病院で一番多いとされていた疾患は、
高齢者による「大腿骨頸部骨折(足の付け根の骨折)」です。
ほとんどが転倒などで受傷し、骨粗鬆症だと骨折しやすいこともあり、
女性に多い疾患です。
手術をし、人工骨頭置換術と呼ばれる術式で、
大腿骨の頭の部分を人工の骨に交換します。
手術後、次の日もしくはその次の日からリハビリが開始されます。
もちろん、痛みはまだ強く、ドレーンや点滴などが繋がっているので、
リハビリ室には移動できません。
最初は病室でのリハビリとなります。
最近は手術した側の足もすぐに荷重(体重をかける)はOKなことが多いです。
しかし、まだ痛みや身体のこわばり、リスク管理などの関係から、
一人で車いすに座ることもできません。
起き上がったり、車いすに乗れるようにするのがまず最初のリハビリです。
座るということは「股関節を曲げて体重をかける」ということなので、
手術をしたばかりだと想像よりも難しい動作になります。
手術した場所はもちろん痛いので動かせる範囲は狭いのですが、
筋肉をほぐしたり、他の部分を動かしたりすることで徐々に動かせる範囲は広がっていきます。
やっていく中で、背骨・体幹へのアプローチがここでも有効だと気付きました。
そして、ある程度股関節が曲げられるようになったところで車いすへの移乗を行います。
無事座れたら初回のリハビリは終了。
だいたいはリハビリ室を見学に行き、少しでも病室の外をみてもらいます。
高齢者の場合は案外これも大事です。
術後には認知症のような症状が出ることも多く、脳への色んな刺激を入れる必要があります。
次回はリハビリ室でのリハビリの内容をお伝えする予定です。
※リハビリの内容は病院によって違いがあったり、個人差がある場合があります。
ここに記載されているのは当サロン院長の過去の体験を元にしています。
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